大麻やカンナビノイド製品を吸ったとき
- 「タバコよりむせる」
- 「喉にくる」
- 「咳き込む」
上記のように思ったことはありませんか?
結論から言うと、大麻がむせやすい理由は主に煙の刺激と吸い方の違いです。
この記事ではなぜ大麻がタバコよりむせるのか。大麻で激しくむせるのはなぜかを解説します。
むせる正体は「咳反射」
まず、むせるとは何かを整理しておきましょう。
むせるのは、喉や気管などの気道が刺激されたときに起こる咳反射です。煙、熱、微粒子、刺激性ガスなどが気道に入ると、体はそれを外に出そうとして咳を起こします。
つまり、むせること自体は異常ではありません。むしろ、気道を守るための自然な反応です。
大麻を吸ったときにむせるのも、基本的にはこの咳反射が起きている状態です。
大麻の煙には刺激性のある成分が多く含まれる
大麻を燃やすと、煙の中にはさまざまな成分が含まれます。
代表的なのは以下のようなものです。
- 微粒子
- タール状成分
- 一酸化炭素
- アンモニア
- シアン化水素
- 窒素酸化物
- テルペン
- カンナビノイド
この中でも、むせやすさに関係しやすいのは、微粒子・タール・刺激性ガス・熱です。
ここで重要なのは、微粒子・タール状成分・一酸化炭素・アンモニア・シアン化水素・窒素酸化物などは、大麻煙だけでなくタバコ煙にも含まれるという点です。
実際に、大麻煙とタバコ煙を比較した研究では、大麻の主流煙からアンモニアがタバコ煙の最大20倍、シアン化水素・一酸化窒素・窒素酸化物などが3〜5倍多く検出されたと報告されています。これらは喉や気道への刺激に関わりうる成分です。(参考:PubMed)
ただし、ここで注意したいのは、「大麻の煙はすべてタバコより危険」「必ず大麻の方が刺激が強い」と単純化しすぎないことです。実際のむせやすさは、煙の成分だけでなく、吸い方、量、燃焼温度、器具、乾燥状態、個人差によって大きく変わります。
タバコよりむせやすい理由は「吸い方」の影響が大きい
大麻がタバコよりむせやすく感じる大きな理由は、吸い方の違いです。
タバコの場合、日常的に吸っている人は刺激に慣れていることが多く、吸い方も比較的軽い場合があります。人によっては、口の中で煙を味わうだけで、深く肺まで入れないこともあります。
一方で、大麻は「肺までしっかり入れる」「深く吸う」「少し息を止める」「一度に多く吸う」といった吸い方をされやすい傾向があります。
その結果、同じ「煙を吸う」という行為でも、大麻の方が気道の奥まで刺激が届きやすくなります。
つまり、タバコより大麻でむせやすいのは、成分の違いだけでなく、深く・多く・一気に吸いやすい吸い方がかなり影響していると考えられます。
大麻は「むせると強く効く」は本当なのか
よくある誤解として、「むせると強く効く」という話があります。
これは完全なデタラメとも言い切れませんが、因果関係としてはかなり誤解があります。
正確には、
- 深く吸う
- 一度に多く吸う
- 肺まで煙が届く
- その結果、摂取量が増える
- 同時に気道への刺激も増える
- だからむせやすい
という流れです。
つまり、むせたから効いたのではなく、深く多く吸った結果、効きやすくもなり、同時にむせやすくもなるということです。
研究でも、パフ量を増やすと血中THC濃度や主観的な「ハイ」が増える一方で、息止め時間を長くしても主観的効果は増えなかったと報告されています。(PubMed)
ここから考えると、体感に関係しやすいのは「むせること」や「長く息を止めること」ではなく、実際に吸入された量です。
▼TikTokで短く解説した投稿
>>大麻は「むせると強く効く」は本当なのか
「いいネタほどむせる」は本当?
「質がいい大麻ほどむせる」という話もよくあります。
これも、半分は説明できますが、断言はできません。
質がいいとされる大麻は、香りが強く、テルペンや樹脂が多い場合があります。テルペンは香り成分ですが、種類や濃度によっては喉や鼻に刺激を感じることがあります。そのため、テルペンが豊富なものほど、吸ったときにピリッとした刺激や咳き込みやすさを感じることはありえます。
また、樹脂やカンナビノイドが多いものは煙や蒸気が濃く感じられることもあります。濃い煙や蒸気を一気に吸えば、それだけ気道への刺激も強くなります。
ただし、品質がいい=必ずむせるではありません。
むしろ、乾燥やキュアが適切で、燃焼状態が良いものはスムーズに感じることもあります。逆に、質が悪いものでも、乾燥しすぎ、保管状態の悪さ、不純物、カビ、燃焼温度の高さなどによって強くむせることがあります。
正確には、こうです。
いいネタだからむせるのではなく、テルペン・樹脂・煙や蒸気の濃さ・吸い方が重なると、むせやすく感じることがある。
大麻喫煙は咳や痰と関連する
大麻でむせる感覚は、その場限りの咳だけではありません。研究では、定期的な大麻喫煙と慢性的な咳や痰との関連も報告されています。
National Academiesのレビューでは、定期的な大麻喫煙は慢性的な咳や痰の産生と関連し、大麻喫煙をやめると慢性的な咳や痰が減る可能性が高いとまとめられています。(ナショナルアカデミーズ)
また、NCBI Bookshelfに掲載されている同レビューの呼吸器疾患章でも、定期的な大麻使用は気道損傷、呼吸器症状の悪化、慢性気管支炎エピソードの増加と関連すると整理されています。(NCBI)
この点からも、大麻の煙が気道にとってまったく無害とは言えません。
ボングはジョイントよりむせやすい?
ボングは水を通すため、ジョイントよりマイルドに感じることがあります。しかし、実際にはジョイントよりむせやすいと感じる人も多いです。
理由は、一気に吸う量が増えやすいからです。
ボングは煙をためて、一度に大きく吸い込む使い方になりやすいです。水で冷却されることで吸いやすくなる一方、大量の煙を一気に肺へ入れてしまうことがあります。
つまり、ボングは「水を通すから優しい」と思われがちですが、実際には濃い煙を一気に吸いやすい器具でもあります。
そのため、ジョイントよりもむせやすくなることがあります。
リキッドで吸うとむせにくい?
リキッドやベイプの場合、ジョイントやボングのように植物を燃やすわけではありません。基本的には加熱して蒸気化するため、燃焼由来のタールや一酸化炭素などは大きく減ると考えられます。
レビューでも、喫煙と比較して大麻ベイプは一部の毒性物質、一酸化炭素、慢性的な呼吸器症状への曝露を減らす可能性があると整理されています。(PMC)
ただし、リキッドなら絶対にむせないわけではありません。
リキッドでも、以下のような条件では普通にむせます。
・蒸気が濃い
・温度が高い
・一気に吸う
・テルペンが多い
・PG/VGなどのベース成分が喉に合わない
・デバイス出力が高すぎる
つまり、リキッドは燃焼による煙の刺激は減りやすい一方で、濃い蒸気・高温・成分・吸い方による刺激は残るということです。
ざっくり言えば、むせやすさは以下のように考えるとわかりやすいです。
燃焼の煙 > 濃い蒸気 > 薄い蒸気
ただし、実際には温度、濃度、吸い方、個人差で大きく変わります。
THCやカンナビノイドが多いとむせる?
THCやカンナビノイドそのものが、むせの主犯とは言いにくいです。
THCは主に作用や体感に関わる成分です。喉や気道への刺激という意味では、THCそのものよりも、煙の微粒子、燃焼ガス、熱、テルペン、吸い方の影響の方が大きいと考えられます。
そのため、THCが多いから必ずむせるというより、高濃度の製品を深く多く吸うことで、結果的にむせやすい状況が生まれると考える方が自然です。
まとめ:大麻でむせるのは「煙の刺激」と「吸い方」が重なるから
大麻がタバコよりむせやすく感じる理由は、ひとつではありません。
大麻はタバコより深く、多く、一気に吸われやすい傾向があります。そのため、刺激が気道の奥まで届きやすく、むせやすくなります。
「むせると効く」というより、正しくは深く多く吸った結果、効きやすくもなり、同時にむせやすくもなるということです。
また、「いいネタほどむせる」という話も、テルペンや煙・蒸気の濃さという意味では一部説明できますが、品質だけで決まるわけではありません。乾燥状態、燃焼温度、器具、吸い方、個人差も大きく関わります。
タバコよりむせやすいのは、煙の刺激に加えて、深く多く吸う吸い方が重なりやすいからです。
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